グローバル教育

屋外での遊びと緑の時間。自然の中で学び、遊ぶことで子供たちはどのような恩恵を受けるのか

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こんにちは!我が家の二人のこども達を通園させたい!と思っている幼稚園では午前中はお勉強、午後は外でお遊びの時間、と一日のスケジュールが大体決まっているようです。園に伺うと外遊びの時間をとても重視しているとのことだったのですが、そんなに大事なのかな?どんな風に遊ぶのがいいんだろう?と疑問に思い、外遊びの大事さについて改めて考えてまとめてみました。

都市化の進展に伴い、世界の多くの子どもたちにとって、自然へのアクセスはますます制限されてきています。こうした自然へのアクセスの低下は、若者の身体的、認知的、心理的ウェルビーイング、精神状態、発達に有害な影響を与える可能性があるとのことです。

屋外学習の利点

屋外での学習は、子どもや若者が成長し、探索し、自然界とつながり、重要なライフスキルを身につけるための豊富な機会を提供します。屋外で過ごすことは、ストレスレベルを下げ、身体の健康とフィットネスを向上させ、科学に基づく概念に興味を抱かせることが証明されています。こうした目に見える利点に加え、野外学習は、仲間や環境との関係を築きながら、子どもたちが社会的に成長することも可能にします。

適切に行われ、通常の教科指導と連携していれば、野外体験教育プログラムは参加者にとって非常に有益なものとなります。

屋外での活動は、感覚的な刺激を与え、子どもたちの創造性を育むと同時に、現実の世界で課題に取り組む際の問題解決能力も高めます。

ガーデニング自然環境へのハイキングなど、屋外で学ぶ機会を頻繁に提供することで、子どもたちに野生生物保護の概念環境保全の取り組みを紹介しながら、物理環境に対する探究心を育む手助けをすることができるのです。毎週2時間の緑の時間でさえ、屋外の環境で遊ぶことは、1週間を通して緑の時間を与えられなかった人と比較すると、教室での指導時間中の集中力のレベルに顕著な改善をもたらすでしょう。

緑色の時間は、若い学習者にさまざまな利益をもたらします。研究によると、子どもたちは自然環境の中で行われる学習活動に、より熱心に取り組むそうです。自然の要素は好奇心を刺激し、子どもたちが問題解決能力を身につけるのを促します。また、緑に囲まれた時間はストレスや不安を軽減し、精神的・感情的な健康状態の改善にもつながります。さらに、屋外学習では、自分の行動が生態系に影響を与えることを示すことで、子どもたちに環境に対する敬意を教えます。

教育的な利点に加え、緑の時間は子供たちに不可欠な身体的な利点をもたらします。

教育的な利点に加え、緑に囲まれた時間は、子供にとって不可欠な身体的な利点をもたらします。また、自然環境の中で過ごすことで、従来の教室での授業よりも構造化されていない屋外で仲間や家族と交流し、社会性や交流も高まります

これらは、グリーンタイムを通じた屋外学習が、あらゆる年齢の学習者にもたらす多くの利点のほんの一部に過ぎません。

目的を持って野外活動に取り組むことで、子どもたちは貴重なライフスキルや、自然、自分自身、コミュニティに対する感謝の気持ちを得ることができ、大人になってからも役に立ちます

野外学習には多くの利点があるため、現代の教育システムにおいて重要な位置を占めるようになってきています。例えば、緑の時間は、社会的・感情的スキル、脳の発達、注意力、身体的健康、幸福感の向上に寄与するということが、研究によって示されています。

家庭学習の中に野外学習を取り入れる場合、子どもにとって有意義で、発達段階に適した活動を意図的に選ぶことが重要です。例えば下記のような感じです。

    • 屋外の場所を教室として使用する。伝統的な教室に閉じこもるのではなく、近くの公園や池を探検したり、体験型の科学見学に参加したりして、自然を学習環境として活用するので
    • 探究型学習を取り入れる:周囲の自然界について質問し、自由形式の会話、問題解決、グループワークで解決策を探るよう生徒を奨励する。
    • 実践的な活動を行う。岩に壁画を描いたり、棒で構造物を作ったり、学年を通して見返せるような観察記録をつけたりするような創造的なプロジェクトを取り入れる。
    • 形にとらわれない遊びをする時間を作る。自然の中での自由な遊びは、子供たちが規則や期待に縛られることなく創造性を発揮するのに最適な方法の1つです。屋外でアクティブに楽しみながら、想像力を働かせる貴重な機会を提供します
    • マインドフルネスの実践を取り入れる。草原でのヨガや、自然の中で何かを考えながら深呼吸をするなどのマインドフルネスの実践は、子どもたちに自分の経験や感情を振り返る時間を与え、自分自身への洞察を深めることができます
    • STEM学習を屋外でも!STEM (科学、技術、工学、数学) の活動は、実験や研究プロジェクトを通してリアルタイムで自然界を探索し、教室では不可能な現象を目の当たりにして学ぶことができるため、屋外での活動に最適です。

屋外学習活動の種類

屋外での学習活動は、子どもたちが自然界と有意義なつながりを持つことを可能にします。これらの体験は、植物や動物の観察から、自然を間近に探索することまで、多くの場合、実地体験型です。屋外での学習活動の例としては、以下のようなものがあります。

  • バードウォッチング: 生息地で鳥を見つけ、行動を研究し、観察したことを記録することによって、子どもたちは鳥について図鑑などで見ているだけより更に深く学べます
  • ガーデニング: 屋外の庭を一緒に作り、種から収穫までの植物のライフサイクルを探ることは、持続可能な実践の重要性を子供たちに教えることができあmす
  • 自然探し:岩、木、雲、花、水などの自然の要素に焦点を当てた探し物をして、周囲への探索と遊び心を育みます
  • ハイキング:公園や自然保護区をハイキングすることで、子どもたちは周囲の美しさを理解し、自然保護への理解を深めることができます
  • サバイバル・スキル:火の起こし方、キャンプ、トレイルの歩き方など、安全な原野の旅に必要なスキルを教えることで、子どもたちは生き抜く力を身に着けていきます
  • 動物の世話:動物保護施設でのボランティアやその他の動物の世話をする仕事は、子供たちにとって、動物を間近に見て、生き物に対する共感を深める機会になります

自然がもたらす子どもの心の健康

子供たちは、屋外学習やグリーンタイムの活動を提供されると、精神衛生上多くの利益を経験します。これらの活動は、子供たちが自分の周りの環境を発見するために自分の感覚を使う、自然との経験的なつながりを可能にします。個人的なレベルで自然とつながり、畏敬の念や驚きを感じることができるのです

こうした経験は、しばしば、リラックス感の増大、自己概念の改善、ストレスレベルの低下、衝動制御の改善、問題解決能力の向上、気分調節の改善、創造性と想像力の向上、全体的により注意深く集中する能力の向上などにつながります。公園などの緑地が多い都市に関する研究では、その地域に住む子どもたちの攻撃性のレベルが低く、自由な遊びの時間に仲間との交流が盛んであることが示されています。

さらに、屋外で過ごすことは、内にいるときと比べて酸素が増えることによる集中力の向上、疲労度の低下、スタミナと持久力の増加、天候の変化への適応力の向上、そして子供の免疫力の強化につながります。

日常生活に緑の時間を取り入れる方法

屋外の時間を取り入れるには、次のような方法があります。

屋外で遊ぶ時間や学習体験を毎日の生活に取り入れることで、子どもたちは、日常の室内環境ではなかなか身につかない能力を身につけることができます。自然を尊重する方法の学習から、運動能力の開発まで、自然の中でより多くの緑の時間を過ごすことが、子供たちの全般的な健康に役立つ方法はたくさんあります。

ここでは、あなたの小さな子どもたちに、より多くの野生の自然な活動を日常的にさせる方法を紹介します。

  • 探索の機会を作る: 子どもを外に連れ出し、自然環境を探索する時間を十分に与えてください。葉っぱや植物、岩や石、昆虫など、見つけたものに触ったり、匂いを嗅いだり、観察したりするように促しましょう。そうすることで、周りの世界に対する好奇心を刺激することができます。
  • 活発な外遊びに参加する: 外遊びは、子どもたちが活動的になるための素晴らしい方法であると同時に、手と目の協調、バランス、敏捷性、体力などの必須スキルを教えてくれるものでもあります。鬼ごっこやフリスビーなどのアクティブなゲームに家族全員で参加したり、切り株や丸太、石、枝など、自然界にあるものを使って自分だけの障害物コースを作ったりしてみましょう
  • 屋外で自然を観察する: 毎週、家族で外に出て、池や鳥の餌場、庭など、野生動物の生息地を観察する時間を作りましょう。双眼鏡を用意し、鳥や動物を近くで観察できるようにしましょう。必要以上に環境を乱さないように、帰る前にすべてきれいにすること。
  • 自然環境を大切にする方法を学ぶ:リサイクル、コンポスト、近くの公園や家の近くの屋外での植樹などの活動に参加することで、なぜ地球を大切にすることが重要なのかを子供に教えます!
  • 私たちがどのように良いことをすることができるのかを子供に教えます。私たちが地球を守ることによってどれほど良いことができるかを子供たちに示すことは、私たちの世界の自然の美しさへの感謝を育みながら、環境問題に対する彼らの生涯にわたる態度を形成するのに役立つでしょう。

屋外の学習と緑の時間は、子どもたちに数え切れないほどの利益をもたらします。身体の健康、認知能力、社会性の向上など、潜在的な報酬として、自然の中で時間を過ごすことは、幼い子供たちにとって貴重な活動です。

屋外での学習や緑の時間は、自信と柔軟性のある大人への成長に不可欠だと思います。

今回子どもと自然とのふれあいの大切さを調べる過程でレイチェル・カーソンさんの「センス・オブ・ワンダー」という本に出会いました。本の名前を聞いたことはあったのですが、読んだのは初めてでした。とても素晴らしい本でしたので、ここでご紹介します。


子どもたちのよりよい成長のために、家庭でも外遊びの時間を充実させていこうと思いました。

それではまた!

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湘南バイリンガル研究会

サイト管理者は主に研究員1(妻)。 米国に5年滞在経験あり。(なのにスピーキングが大の苦手。) 本業はデジタルマーケター。 帰国子女の研究員2(夫,米フロリダ州、カリフォルニア州に8年滞在経験あり)とともに、バイリンガル研究会会長(長女2歳)、名誉会長(次女1歳)を満足させる研究成果を出すべくバイリンガル教育を必死で勉強中。

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